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映画の出来には、半信半疑で見に行ったが、映画の評価は充分に及第点である。 匿名の手紙で、自分の妻・山下恵美子(寺田千穂)が浮気していることを知った山下拓郎(役所広司)は、夜釣りを早く切り上げて帰る。 自殺未遂の服部桂子(清水美砂)を助けたことから、彼の生活が変わる。 山下のうなぎへの独白が、何度も挟まれて場面が展開するだけで、初めこの映画は何をめぐっている話なのか判らない。 自分とは血縁のない子供を生んでもらい、それを育てようとする決意が、生まれてくる子供を人間として認める。 導入部の人物設定の甘さ、鈍い展開など、いくつか気になったことはある。 市原悦子が演じた精神異常の母親、UFOを追い求めている男とその装置など、学芸会的ながら面白い設定である。 気になったのは、1988年に刑務所に入って、8年で出てくれば、映画の舞台は1996年である。 産婦人科医も、大時代的な診察室だった。 監督のツテだろうなじみの役者が、脇役にもたくさん出演している。 演技の堅い役所広司に山下役はあっているし、山下恵美子と服部桂子に、顔の似た俳優をキャスティングしている。 ところで、日本趣味がそこここに散見されるのは、どんなものだろう。 日本趣味のエキゾチズムを売り物にする時代は、終わったように感じる。 蛇足ながら、二点。 力のある監督が、きっちりと作った映画で、よくできたいい映画だと思う。 | |||||
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