タクミシネマ              陰謀のセオリー

  陰謀のセオリー   リチャード・ドナー監督

TAKUMI−アマゾンで購入する
陰謀のセオリー [DVD]
 タクシー・ドライバーのジェリー(メル・ギブソン)は、かつて政府の暗殺者養成教育を受けた人間である。
彼がその過程で知った秘密を訴えるが、誰も信じてくれない。
暗殺者になるよう洗脳されたので、自分でも記憶が曖昧なところがある。

 強大な悪の二大組織が、自分たちの利益のために、様々な画策をしている。
今度は人工衛生を使って地震を起こし、大統領を暗殺しようとしている。
どこからかそれを知ったジェリーは、そうした秘密情報を個人情報誌<conspiracy theory>を作って、全米中の五人に配布している。

 しかし、それを秘密にしておきたい組織にばれて、彼は追われる身となった。
その組織は政府にも根をもっているので、彼を追いつめるべく政府を動かした。
そのため彼は、CIA、FBI、州警察など、全部の官憲から追われている。

 以前、彼がある判事の暗殺を命じられたが、洗脳がとけて殺さなかった。
しかも、彼は組織の秘密を判事に打ち明ける。
ところが、秘密を知った判事が組織に殺される。
その娘アリス(ジュリア・ロバーツ)が司法省に勤めているが、彼女にその秘密を訴えるが、なかなか信じてもらえない。

 派手な捕り物をやっているうちに、彼女も信じるようになる。
二人で組織と戦うが、最後に彼は撃たれて死亡。
実はこの悪の組織は、政府内の正義派秘密警察も感ずいていた。
政府内の秘密組織というのが良く判らないが、以前からこの悪の組織を追っており、ジェリーはそれに助けられる。
ジェリーは秘密警察に協力し、巨悪組織の撲滅のために、アリスとの接触をたたれて映画は終わる。

 それなりにお金もかかって、ストーリーも考えられているが、いかんせん個人がアメリカ政府を相手にするのは無理がともなう。
それに悪の巨大組織にしても、組織の正当性が確保できないから、ご都合主義的な展開になる。
無理やご都合主義的な展開を、気持ちよく忘れさせてくれれるのが、上手くできた娯楽映画である。
その意味では、やや嘘っぽく及第点には達してない。

 映画としては単なる娯楽映画で、ハリウッドはこうした作品が多いから、馬鹿にされるのだろう。
しかし、映画は詰まるところ娯楽で、娯楽性を欠いた映画はあり得ないとすれば、こうした作品もけっして貶められることはない。
むしろそれなりに二時間を、楽しく過ごさせてくれる。

 メル・ギブソンは良いとしても、ジュリア・ロバーツがどうしてこうも、もてるのか不思議である。
演技だって上手くはないし、スタイルこそ良いが美人でもない。
口が大きくて、むしろ不細工だと思うのだが、なぜか良い役ばかりやっている。
私生活でも艶聞が絶えない。
何が彼女の魅力なのだろう。リチャード・ドナー監督に聞いてみたい。
1997年アメリカ映画


TAKUMI シネマ>のおすすめ映画
2009年−私の中のあなたフロスト/ニクソン
2008年−ダーク ナイトバンテージ・ポイント
2007年−告発のときそれでもボクはやってない
2006年−家族の誕生V フォー・ヴァンデッタ
2005年−シリアナ
2004年−アイ、 ロボットヴェラ・ドレイクミリオンダラー ベイビィ
2003年−オールド・ボーイ16歳の合衆国
2002年−エデンより彼方にシカゴしあわせな孤独ホワイト オランダーフォーン・ブース
      マイノリティ リポート
2001年−ゴースト ワールド少林サッカー
2000年−アメリカン サイコ鬼が来た!ガールファイトクイルズ
1999年−アメリカン ビューティ暗い日曜日ツインフォールズアイダホファイト クラブ
      マトリックスマルコヴィッチの穴
1998年−イフ オンリーイースト・ウエストザ トゥルーマン ショーハピネス
1997年−オープン ユア アイズグッド ウィル ハンティングクワトロ ディアス
      チェイシング エイミーフェイクヘンリー・フールラリー フリント
1996年−この森で、天使はバスを降りたジャックバードケージもののけ姫
1995年以前−ゲット ショーティシャインセヴントントンの夏休みミュート ウィットネス
      リーヴィング ラスヴェガス

 「タクミ シネマ」のトップに戻る