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バスの暴走が、豪華客船の暴走に置き換えられたところが、すでに失敗を予定している。船の動きは緩慢で、臨場感に乏しい。またバスを運転したのが、サンドラブロックだったが、大型客船くらいの規模になると、素人の手出しする余地はない。その運行は、専門の船長や機関手などの手によるしかなく、アニー(サンドラ・ブロック)とアレックス(ジェイソン・パトリック)の手には負えないことが明らかである。 犯人はその船を建造した設計者だから、船に詳しくても不思議ではないが、主人公たちには不自然である。その限界が最後までつきまとい、映画の盛り上がりを欠いた。アレックスはロス・アンジェルス警察の特殊刑事で、何でも出来るスーパーマンである。恋人のアニーとカリブ海クルーズに出かけ、そこでプロポーズしようとした。ところがシージャックが発生、捕物帖になるという展開である。 いまや犯罪者も、コンピューターが判らなければ、何もできない。大型船になると、コンピューターが大々的に使われており、エンジンから舵取りまですべて、コンピューターで制御されている。それを二台のラップトップのコンピューターで攪乱し、客室に持ち込んだラップトップコンピューターから船を操る。 大型船は、原始的なジーゼルエンジンを使っているはずだが、それがコンピューターによって制御されることを考えると、いまやすべてにコンピューターがからんでいると言える。これからどういった世の中になっていくのか、恐ろしいようである。 それにしても、お金がかかっている。豪華客船を、陸に乗り上げさせるだけでも金がかかるだろうに、セスナを一機とタンカーを一漕爆破してしまった。いくら廃船を使ったとはいえ、並の金のかけかたではない。ストーリー展開は、見るべき物はないが、この大がかりな設定には驚く。豪華客船とタンカーの衝突シーンは迫力がある。sfxを使わず、実際に本物を使って撮ると、リアリティが違う。実に迫力がある。しかし、映画とは何だろう。お金をかけたから面白いかと言うと、まったく違う。考えさせる。 | |||
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