タクミシネマ              メン イン ブラック

メン イン ブラック    バリー・ソネンフェルド監督

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メン・イン・ブラック [DVD]
 着想が面白く、先端科学や哲学の認識論からヒントを得ている。
地球にはすでに、地球外生物がたくさん生活しており、それを普通の人は気がつかないだけというのは、すでに先端科学では言われていることである。
この映画では、その多くは他の惑星からの亡命人と、設定している。
ときどき問題を起こすが、通常の彼等は、地球人と平和に共存して生活している。
しかし、平和を乱すものもいる。そうした地球外生物を監督する機関がある。
それが黒ずくめの制服を着た男たち、MIB−メン イン ブラックである。

 二人組で捜査をしてきたが、相棒が高齢のため機敏な動きができなくなった。
そこで、新人をスカウトしなければならないが、誰でも良いというわけにはいかない。
なにせMIBは秘密機関なのである。
その秘密を保つアイディアが面白い。
地球外生物を見た人たちに、ぴかっと閃光を与えて記憶を消してしまうのである。
だから、この組織は誰も知られてないという設定である。

 新しいMIBのメンバー試験は、アメリカ中のさまざまな機関の優秀な人間を集めて行われる。
軍の学校やFBIの教育機関の優秀な男たちが集まる中に、ニューヨーク警察の警官が混じっている。
彼はとぼけた奴だが、抜群の体力と知能である。
他の男たちが平凡な反応をする中で、彼だけが相棒K(トミー・リー・ジョーンズ)のお眼鏡にかかる。
新人はJ(ウィル・スミス)と名前をもらう。

 凶悪な地球外生物もおり、エネルギーの基である銀河を奪いにくる。
それをめぐって、このコンビが地球外生物と対決する映画である。映画はコミック仕立てになっており、けっこう笑わせてくれる。
まじめな白人のMIBのKと、おとぼけ黒人のMIBのJという組み合わせが面白い。
しかし、ここでも指導者は白人、生徒は黒人である。

 凶悪な地球外生物は地球に亡命中だった大物を殺し、銀河系を奪う。
しかし、それを知った宇宙人は怒り、地球を攻撃すると通告してくる。
そのタイムリミットが一時間。
もちろん映画だから、最後はめでたしめでたしとなるのだが、何かちぐはぐな展開である。
奇想天外な武器が登場したり、車があったりと、面白いのだが、展開に説得力がない。

 最後には、死体監理をしている女性監視官とJが仲良くなり、なんとこの女性がMIBになってしまう。
これでは、MIBではなくWIBである。SFXが実に自然に使われて、もうつなぎが判らない。
これだけ大々的にSFXを使うと、映画本来の筋やディーテールといった分野がおろそかになり、大味な映画になりやすい。
この映画もそれは免れてない。
バリー・ソネンフェルド監督だが、スティーブン・スティルバーグがプロデュースしている。
1997年アメリカ映画。


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