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台湾の映画であるが、その社会の通過段階を良く表している。 映画が近代化の過程と平行関係にあることに改めて感心した。 台湾は今工業社会に入りつつあり、かつてのわが国の一部の表現界が体験したような、難解な観念を弄ぶ中毒に陥っている。 しかしそれはどんな社会も、必ず通らなければならない道である。 ひょんなことから旧友の陳湘h(チュン・シアンチー)に出会った李康生(リー・カンション)は、映画撮影に従事している陳についていくと、河を流れる死体に配役される。 二人のセックスが、後半の展開にまったく関係がない。 翌日になると、李は首が曲がったままになる。
この映画の主題は、近代化のなかでの現代人の孤独だろうが、この主題は近代化が始まった地域では誰でも扱う。 李の父親をゲイ・サウナに通わせても、若い少年との同性愛ではゲイではないし、むしろ昔からどこにでもある少年愛にすぎない。 農業社会から工業社会への転換が、それまでの共同体的な安定を崩し、個人を裸にするとしても、それはすでに先進国で体験されたことである。 カメラが優れた美意識で、計算されたライティングと構図で才能を感じさせた。 1997年の台湾映画。 | ||||||
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