|
|||||
ベン(ケヴィン・クライン)は奥さんと男女二人の子供を持ったサラリーマンである。 彼の家庭は、外見だけは保たれているものの、各人はバラバラになっている。 彼は、近所に住む主婦(シガニー・ウィーバー)と関係を持っているし、彼の奥さんは精神的な不安で万引きをしたりする。 長男は高校生で寮に入っており、週末だけ帰宅する。 14歳の娘は屈折しており、何かにつけて反抗的である。 ベンの浮気相手である主婦の家は、出張がちな夫に、男の子が二人という家庭である。 夫婦と子供二人という標準的な家庭が、バラバラになっている様子を、アン・リー監督は冷ややかに描いていく。 そのパーティでの最後の催しは、各自の車の鍵をボールに入れておいて、目をつぶった女性がその鍵を拾う。 ベンの浮気を知っている奥さんは、酔ったベンを介抱せず、ベンの浮気相手の旦那と肉体関係を持ち、彼の家へと向かう。 家族がバラバラになっている状態を描いているのは良く判る。 アジア人のアン・リー監督からは、アメリカ人たちは家庭を大切にせず、自分勝手で刹那的に見えるのだろう。 人間たちが、家庭を通じて社会的な接触を持つのではなく、個人として直接社会に放り出されるのは必然性があるのだ。 アン・リー監督としても、情報化社会や女性の社会進出を、否定するのではあるまい。 アン・リー監督は、浮気をする大人たちに天罰を与えるかのように、子供を事故死させている。 時代の後ろから、前を歩いている者たちを、批判するのは容易いことである。 個人化する社会に、どう適応するかが問われるべきで、過去へ戻ることではない。 映画としても、氷柱や寒さに心的な象徴を託し、何度も画面に見せるのは退屈で自己陶酔的である。 | |||||
<TAKUMI シネマ>のおすすめ映画 2009年−私の中のあなた、フロスト/ニクソン 2008年−ダーク ナイト、バンテージ・ポイント 2007年−告発のとき、それでもボクはやってない 2006年−家族の誕生、V フォー・ヴァンデッタ 2005年−シリアナ 2004年−アイ、 ロボット、ヴェラ・ドレイク、ミリオンダラー ベイビィ 2003年−オールド・ボーイ、16歳の合衆国 2002年−エデンより彼方に、シカゴ、しあわせな孤独、ホワイト オランダー、フォーン・ブース、 マイノリティ リポート 2001年−ゴースト ワールド、少林サッカー 2000年−アメリカン サイコ、鬼が来た!、ガールファイト、クイルズ 1999年−アメリカン ビューティ、暗い日曜日、ツインフォールズアイダホ、ファイト クラブ、 マトリックス、マルコヴィッチの穴 1998年−イフ オンリー、イースト・ウエスト、ザ トゥルーマン ショー、ハピネス 1997年−オープン ユア アイズ、グッド ウィル ハンティング、クワトロ ディアス、 チェイシング エイミー、フェイク、ヘンリー・フール、ラリー フリント 1996年−この森で、天使はバスを降りた、ジャック、バードケージ、もののけ姫 1995年以前−ゲット ショーティ、シャイン、セヴン、トントンの夏休み、ミュート ウィットネス、 リーヴィング ラスヴェガス |
|||||
|