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第一次世界大戦後のオランダはアムステルダム。 特別の身分ではない庶民が、近代の入り口でのし上がろうとしたときの悲哀を描いている。 ヨーロッパでは執行官と言う役人がしばしば出てくるが、その役割がよく判らない。 税金を集める役人なのだろうが、徴税は汚れ仕事だから、おそらく国王から委任を受けた下級役人なのだろう。 その名残が残っているのか、この映画に出てくる執行官は、サイド・ビジネスとして銀行をやっている。 銀行と言うより、金貸しなのだろうか。 それにしては役人のような態度だった。 この執行官ドレイブルハーブン(ヤン・デクレール)は、当然のことながら嫌われ者だが、しっかりお金を貯めている。 生まれた子供ヤコブ(フェジャ・V・フェット)は、父無し子と蔑まれながらも優秀だったので、法律事務所に勤め、弁護士へと育っていく。 長閑だった農耕社会、農民の子は農民にしかなれなかったから、子供を厳しく育てる必要はなかった。 そこでは社会の底辺にしか住むところが無く、非衛生的な都市環境の中で、多くの庶民が呻吟した。 現代から見ると異常に見えるが、この執行官の価値観は当時、成り上がるためには必要だったのだろう。 奥さんは身の回りの世話をする女中代わりだから、食い扶持を与えることには吝かではないが、子供たちはただの穀潰しにか見えなかっただろう。 子供が親の役に立つ場合、それは自分の跡継ぎとなるときだけである。 ヤコブが借りた市民銀行は、父親の所有する銀行だった。 取り調べの様子が厳しくないので、ヤコブが殺したのではないと言うことは判る。 現代から見れば屈折した愛情表現だが、当時の執行官という彼の立場から見れば、判る心理である。 この映画の過去への視点は、もはや当たり前のことしか展開していない。 映画としては良くできており、ヨーロッパ映画特有のやや暗い画面、深い沈鬱さなど力のある監督だと思う。 1997年オランダ映画 | |||
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