タクミシネマ                  ツイスター

 ツイスター       ヤン・デ・ボン監督  

 SFXのオンパレードで、金がかかっていることはよく判るが、まったくおもしろくない映画である。
アメリカ中西部では竜巻は真実味をもつが、他では竜巻の驚異を感じないから、映画がおもしろくないと言うのではない。
竜巻の科学映画なのか、恋愛映画なのか判らない。
もっと科学的な探求ものにしたほうがよかった。

 小さな時に竜巻に父親をさらわれた女性が、竜巻の研究にのめり込むという話しである。
しかし、それが悲しいことに、本人が竜巻研究に功績をあげるのではなく、人間気圧計とあだなされる男性が主人公である。
ジョー(ヘレン・ハント)というその女性は、ガッツこそあるけれども、知能では男性にヒケをとる。
話しの鍵を握る竜巻観測装置ドロシーの基本設計は男性なのである。

 ジョーが率いる竜巻観測班のところに、離婚したい男性が新しい奥さんを連れてくるところから話しが始まる。
男性はジョーに離婚の書類へのサインを求めていたが、ジョーはまだ未練があってサインをしていない。
男性が残した基本設計をジョーが完成させ、ドロシーの初めての実験日。
ジョーが竜巻を追い始めると、男性は元来がその気違いである。
新しいかみさんをほったらかして、ジョーと一緒になって、たちまち竜巻を追いかけ始める。
それを見ていた新しいかみさんは、結婚を見送る。
そして、ジョーと男性のよりが戻るという、なんともいい加減な話し。

 最後には、大きな竜巻に巻き込まれるが、家が飛び車が飛ぶ中で、細い革のベルトでむすびつけていたので、二人は助かるというご都合主義。
SFXなどのような新しい技術にのめり込むと、映画本来のストーリーや表現が、おろそかになるという典型例である。
1996年アメリカ映画


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