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日本の監督としては、珍しい存在である。 彼は映画が娯楽、つまりエンターテインメイトであることを、よく知っていることの証だろう。 その彼が、幼友達が経営するつぶれそうなスーパー正直屋を、テコ入れする女を主人公にして映画をとった。 たぶん価格破壊という流れのなかで、安売りの走りだったスーパーを見直したかったのだろう。 しかし今回は残念ながら、すでに彼は時代に追い越されている。 説教臭いところがあって、年をとったことが感じられる。 新鮮なものを、正直に顧客に提供すれば、店舗が繁栄する時代ではない。 それに対して、正直屋は内部で賄賂をとったり、経営者・従業員ともに不熱心で、つぶれるべくしてつぶれる運命をたどっている。 それに、たしかに板場の人間は、職人で物わかりが悪いように見えるかも知れないが、むしろ彼らは収支には非常に敏感である。 現実の職人ではなく、職人気質と言ったイメージによりかかる現実離れは、映画だから許されることではない。 パートの人たちが、経営に意見をだすのはいいとしても、多数決で経営が進みはしない。 勧善懲悪の映画と言うのはある。 映画としては、軽さをだそうとしたのであろうが、宮本信子の演技が妙にはねて落ちつきがなく、不自然である。 宮本信子は奥さんだから、彼女のミスキャストはしかたないとしても、他のキャスティングがよかった。 伊藤四郎は相変わらずうまいし、店長もなかなかだった。 長い時代にわたって、一人の人間が常に時代の先頭を歩くことは、非常に難しい。 | |||||
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