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篠崎誠監督によって作られた「おかえり」は、1996年に公開されたが、わが国ではごく一部で話題になっただけだった。 しかし、ヨーロッパで好評だったので、いわばリバイバルと言った形で、再上映された。 そうはいっても、中野の武蔵野ホールと言う小さな映画館で、しかもレイトショーである。 精神分裂病の発症した奥さん(上村美穂)を、優しく対応する旦那(寺島進)という、難しい主題をきわめて観念的に展開した映画である。 交通事故で脚がなくなっても、その人に替わりはなく、誰でも一家の一員として、対応し続ける。 この映画は、分裂病の発症という、途中から精神病になるケースを取り上げて、しかも、夫婦二人だけの家庭という設定である。 主題としては納得するも、発症後の展開は二人だけで背負えるはずはない。 何が正常か異常かは、歴史が決めることである。 社会から隔絶した人間は存在せず、その関係も隔絶してはあり得ない。 主題を別とすれば、超低予算のせいでもあるだろうが、映画としては芳しい出来ではない。 主題が主題だけに、もう少し推敲して主題を発酵させてから映画化したほうが、説得力がずっと高まったとおもう。 | |||
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