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初めて仲人をする前日、娘が臨月のお腹を抱えて、実家へ帰ってくる。 夫の浮気を怒って実家へ帰る、こういう行動をとる女性とは、生活力がなく何と惨めな女だろう。 男なら妻の浮気を怒って実家には帰れないのに。 そしてその当日、祖父が倒れ死亡する。 仲人を終わるも、せわしなく通夜の席。 葬式の席で、長女が陣痛、出産。 家族を問直す、今日的なテーマである。 わが国の場合、農耕社会の家族形態をいまだ引きずっている。 仲人に出かける朝、祖父が死んでいる。 お父さんは、お爺さんが大雪山へ行くことも、娘が男とグアムへ行くことも知らない。 責任を負わされたと感じている人間は、結果起きることに臆病にならざるを得ない。 わが国ではまだ、子供は親の所有物であるという、農耕社会の理念が生きている。 大学生の女の子が、男の子とグアムへ行くと言ったとき、金も出さないが反対もしない。 現存の冠婚葬祭は、これからの社会に対応できなくなっている。 葬も、大家族や核家族が基本ではなくなるので、もっと小規模なものになる。 農耕社会にあって、冠婚葬祭は一種の保険だった。 家族を問い直す動きは、これからますます活発化するだろうが、資本側と主婦のランデヴーによって、家庭の大切さが声高く訴えられるだろう。 橋爪功、吉行和子、松村達雄、歳のいった役者たちは上手い。 映画としてみると、残念ながら、及第点はつかない。その理由は、 この映画の最大の問題は、家族をテーマにしながら、家族をどう扱うかに、明確な方針が打ち出せなかったことである。 | |||
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