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16才の末期ガンになった囚人ブルー(ジョン・セダ)が、検査のために病院へ来る。彼はナバホインディアンと白人の混血で、
伝説の聖地を捜して、医者のマイケル・レイナルド(ウッディ・ハレルソン)を人質にして逃亡。聖地を目指して三日に渡って、車を走らせる。その間、ブルーとマイケルの精神的なトラウマが語られ、コペンハーゲン・シンドロームからか二人は理解し合うようになる。 ブルーの家族はバラバラ、彼は小さな時から父親に虐待されてきた。母親を子供たちの眼前で犯す父親を射殺し、逮捕されたことから始まり、16才にしてすでに前科6犯。マイケルは裕福な家に生まれたが、兄が不治の病に犯され、残酷な検査・処置・手術を受ける。 生命維持装置に縛り付けられた寝たきりの生活になる。もはや生命がないと観念した兄は、生命維持装置のスイッチを切って欲しいとマイケルに頼む。彼はそれを断りきれず、スイッチを切ってしまう。それが彼のトラウマになる。 マイケルは誘拐されたはずだったが、ブルーの身上を理解するにつれ、恐怖や憎しみが共感に変わり、病院から薬を盗み出してまで、聖地を捜す手助けをする。そのプロセスがこの映画の見せ所なのだが、インディアンの末裔と思われるキャンピングカーに乗った老女や、インディアンリザーべーションの私設管理人らしき女性、ゴスペルに興じる黒人たちなど、ご都合主義的な展開が多い。 聖地にたどり着くとそこには、インディアンの長老がすっくと立っており、二人を迎える。ブルーはマイケルと別れ、聖なる湖へ走って消える。マイケルは病院強盗で逮捕され、後ろ手錠のまま、家族と抱き合うところで映画は終わる。 映画は終始、白人の効率本意の生活を非難し、信仰や自然への憧憬を大切にしたナバホインディアンの伝説を語る。それは現代文明への批判であり、警鐘なのだろうが、将来的な建設として有効なのだろうか。マイケル・チミノ監督の、懐古的な感覚が気になった。 | |||
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