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通常のアクション映画と違うのは、悪人側にも普通の人格があり、それを追う刑事側の家庭は崩壊寸前という設定である。 アクション映画としては珍しい。 悪人側のロバート・デ・ニーロは女性と簡単にできてしまい、その女性がいなければ高飛びする意味がないというほど惚れ込む。 しかし、アル・パッチーノのほうには問題が多い。 現在の奥さんも離婚経験者で、おそらく前の夫(建築家)から高額の慰謝料を入手したのだろうが、優雅な生活の専業主婦という設定は首をかしげる。 仕事に生きる男なら、仕事の緊張感を知らない専業主婦は、やがて足手まといになるのは判りきっている。 大人になりきれない大人たちが、自分の生きがいを求めて、離婚を繰り返すと、子供が犠牲になるという主題が隠れている。 子供が自殺を計って初めて、母親が子供への愛情に目覚めるというのは、不可解である。 悪役の人物設定は、常識を無視してもいいが、正義派のほうは、常識に添わなければならない。 話は、ロバート・デ・ニーロを親分とする四人組の強盗団が、身元不明の新人を雇ったことが、最後にケチがつくという見えた展開である。 高飛びの体勢に入っていたのに、裏切り者を知ってわざわざ戻って、ロバート・デ・ニーロが殺される最後は月並みに過ぎる。 わが国のアクション映画は、犯罪者が警察に絶対的にかなわないという前提でできている。 わが国では、アメリカのようなアクション映画が成り立つ基盤がない。 アクションのなかに人物描写を入れるのは難しい。 強盗団の四人のうち、三人までは死んだのが画面で確認できたが、ナンバー2のハリスはどこへいってしまったのだろう。 | |||||
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