タクミシネマ 　 　　　　　　　　　　　　　　 ハードメン

　トーンの裏切りを許さない親分は、何とトーンを殺して彼の手首をもってこいという。
二人は友人を裏切ることができず、何度も逡巡する。
トーンは自分への殺人指令がでたのは感ずいており、上手く抜けようとする。
しかし、とうとうそれができず、二人に手首を切られてしまう。
そこでトーンは反撃にでて、二人を殺し親分も殺す。
親分のところにあった大金を持って、アンジーと子供の待っている家に駆けつけ、スペインに移住したところで映画は終わる。

　懐かしの音楽にのって始まる最初のシーンは、とてもいい。
三人がこわばって歩道を歩くシーン、税務署員だと言って乗り込むシーンなど、よく決まっている。
集金先の男たちとの対決場面など、この先どんな物語が展開するのか、期待でわくわくする。

しかし、映画が進むにつれて、軽快なその緊張感が消えてしまって、普通の場面になってしまうのは残念である。
脚本の練りが足りないのであろう。

　元気の良い最近のイギリス映画らしく、テンポよく画面は展開するが、やや雑な作りである。
お金がかかってないのは良いとしても、ストーリーで何を言いたいのかちょっと判らず、ただのコミックではないし、とぼけた味がいいと言えばいいが、いまいちの感じがする。

1996年イギリス映画。