タクミシネマ 　 　　　　　　　　　　　　　　 　　花の影−風月

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花の影 [DVD]

　弟はその家を出て、上海にたどりつき、やくざの一員となる。
彼は夫ある女性を自分に惚れ込ませ、自分との関係をネタに脅すことを稼業にしていた。
その彼が、昔の奉公先である旧家に戻り、いまは当主になっている妹を誘惑する。
妹は誘惑に乗るが、なぜか彼はゆすることを辞めて、上海に戻る。

　恋の虜になった妹は、上海まで追いかけてくる。
彼の正体を知っても、彼女の愛はさめない。
しかし、自分を愛しているかとの彼女の問に、彼が答えなかったことから、彼女は愛がさめてしまう。
田舎に帰って、他の男と結婚することになる。

　ジゴロ役で恐喝に失敗し、女性を投身自殺させてしまった彼は、妹を追いかけて田舎の旧家へ向かうが、彼女の愛情はすでになかった。
落胆した彼は、彼女に昔したように阿片の喫煙を仕立て、彼女にすすめてその家を出る。
しかし、そのキセルには、若旦那を植物人間にした砒素が仕込まれており、それをすった彼女も廃人になってしまう。
その直後、彼はやくざの死客に殺される。

　中国の大きな旧家を背景にした人間模様の中で、時代に翻弄される人々を描いたと思ったら、愛をもてあそぶジゴロが愛に足をすくわれる映画だった。
この弟は、いつも女性をたぶらかしていたが、商品である一女性に本気になってしまったことから、恐喝が出来なくなる。

　仕方なしに、旧家の妹をたぶらかすが、それが実行できずに上海に戻る。
やくざの親分は耐えきれずに、本気に愛した女性を恐喝するように促すが、それに失敗。
慌てて旧家の妹を、と思ったがその時はもう遅く、彼女の心は彼から離れていた。

　香港映画だが、これは脚本がしっかりしていた。
幻想的な画面と、美しい男女が織りなす愛情映画といったところか。
主題は、愛を弄ぶ危険性と言ったところだろうか。
しかし、筋は良く判ったが、映画全体で何を言いたいのか、いまいち良く判らなかった。
1996年香港映画。