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レブ・ブラドックという無名の監督がつくった短編映画を、劇場用に長編化したものである。 タランティーノがプロデュースしているが、きわめて個人的な好奇心だけに感心が集中し、全体をまったく見ないと言う本当に危険な道を歩いている。
小さな時から、殺人とか死体などに異常なまでの興味をもった女性ガブリエラが、成人後その興味だけに生活のすべてを集中する。 最初のうちは、新聞や雑誌からの殺人のスクラップをしているに過ぎないが、やがてそれだけでは済まなくなる。 人が殺されることに、異常な感心をもった彼女は、殺人現場の掃除屋に就職する。 殺人事件のなかでも、金持ち女性を相手にした連続殺人事件ブルー ブラッド キラーは、特に彼女の感心をひいた。 しかも、血痕の後を拭いたら、名前が出てきた。 彼女たちが現場へ乗り込んだ日の朝、犯人ウイリアム・ボールドウインは、被害者が断末魔に自分の名前を床に書いたことを知っており、それを消しに現場にきていた。 閉じこめられてしまった犯人は、脱出を試みるが失敗。 夜中の現場で、ガブリエラは殺人の過程を想像するのに忙しい。 やがて犯人に気づかれるが、彼女は殺人犯への恐怖よりも、殺人の過程への好奇心が勝っている。 切り落とされた首が喋るかどうか、どうしても確かめたい彼女は、気絶した犯人の上にまたがって犯人の首を切る。 映画自体はリズム良く、軽快に展開する。 しかし、しかしである。 誰でもが共有する価値が崩壊し、オタクな時代になってきたことを、知らされる映画である。 「誘う女」でも、有名病にとりつかれた女性の殺人が主題だったが、心のなかで感心を持つことと、現実に実行することとはまったく違うものである。 誰の心の中にも、自分の個人的な感心はあるだろう。 1996年のアメリカ映画 | |||||||||
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