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アルゼンチンの独裁者ペロンの奥さんだったエヴァ=エヴィータの生涯を描いたミュージカル映画である。 台詞がすべて歌というのは、最初は戸惑うが台詞に関してはすぐに慣れる。 慣れるとむしろ歌のない無音の間が、不自然に感じてくるほどである。 歌がない時つまり人の声が切れた時、扉を開ける音などの自然音が気になる程度で、ミュージカルはミュージカルの良さがある。
ペロンは高級将校だが、エヴィータは田舎で妾の子として生まれ、15才の時に流行歌手についてブエノス・アイレスに出てくる。 ペロンに関しては、軍事独裁として悪名が高いが、その妻だったエヴィータも政治領域では評判が悪かった。 主人公エヴィータには、もちろんマドンナ。 マドンナは、一人の貧しかった女の生き方を、力強く歌いあげていた。 女性の生き方としては傑出したものであっても、政治家としては問題の多い彼女である。 これが効果的に働いており、独裁者の妻を主人公に描きながら、映画としてはエヴィータの主張や生き方に、距離をとることに成功していた。 アントニオ・バンデラスのスペイン語で歌う部分は、当然のことながら綺麗なスペイン語で、しかも彼には独特の雰囲気があった。 できれば、エヴィータを撮りながらも、エヴィータの活躍は、貧しく遅れているアルゼンチンの近代化を、さらに10年は遅らせたことまで描き出して欲しかった。 エヴィータはカソリックを信じ、慈善事業などのカムフラージュをしながら、彼女自身は巧妙な集金機構を作り上げ、贅沢な毎日に明け暮れた。 しかし彼女の死後、ペロンは堕落した政治家として、国を逐われることになる。 大勢を動員して、大変にお金のかかった映画だが、カソリックが強いアルゼンチンではこの映画のロケが出来ず、他の国でロケをしたという。 1996年のアメリカ映画 |
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