|
|||
画家・田島征三の子供時代を映画化したもので、1948年の四国が舞台である。 なぜ今、この映画なのだろうか。 ベルリン映画祭で銀熊賞をとったというが、古き良き時代への郷愁だけで作られている。 この映画が作られる必然性がない。 過去への郷愁によって、現代を批判する手法は批判たり得ない。 この映画は娯楽としてではなく、何か訴えるために作られているのは明白だから、それが何か判らない。 画家の島田征三兄弟が今あるのは、あの時代の体験が決定づけたというのは判る。 残念ながら、この映画は、農耕社会の終期を懐古しているだけであり、あえていえば、農耕社会への鎮魂歌であろうか。 戦後設立された教育委員会につとめる男性と女性教員のあいだに、島田兄弟は生まれる。 この映画は、島田氏の実体験なのであろう。 明治以来、教員という近代国家の先兵は、農村社会を破壊し続けた。 原作者の島田氏は、農耕社会から工業社会へうまく適応しながら、農耕社会への郷愁を絵にして生活しているとすれば、農耕社会の相対化はないものねだりかも知れない。 原田美恵子は、相変わらず清純そうな顔に、豊満な肉体というミスマッチのおもしろさ。 | |||
<TAKUMI シネマ>のおすすめ映画 2009年−私の中のあなた、フロスト/ニクソン 2008年−ダーク ナイト、バンテージ・ポイント 2007年−告発のとき、それでもボクはやってない 2006年−家族の誕生、V フォー・ヴァンデッタ 2005年−シリアナ 2004年−アイ、 ロボット、ヴェラ・ドレイク、ミリオンダラー ベイビィ 2003年−オールド・ボーイ、16歳の合衆国 2002年−エデンより彼方に、シカゴ、しあわせな孤独、ホワイト オランダー、フォーン・ブース、 マイノリティ リポート 2001年−ゴースト ワールド、少林サッカー 2000年−アメリカン サイコ、鬼が来た!、ガールファイト、クイルズ 1999年−アメリカン ビューティ、暗い日曜日、ツインフォールズアイダホ、ファイト クラブ、 マトリックス、マルコヴィッチの穴 1998年−イフ オンリー、イースト・ウエスト、ザ トゥルーマン ショー、ハピネス 1997年−オープン ユア アイズ、グッド ウィル ハンティング、クワトロ ディアス、 チェイシング エイミー、フェイク、ヘンリー・フール、ラリー フリント 1996年−この森で、天使はバスを降りた、ジャック、バードケージ、もののけ姫 1995年以前−ゲット ショーティ、シャイン、セヴン、トントンの夏休み、ミュート ウィットネス、 リーヴィング ラスヴェガス |
|||
|