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 ブラッド アンド ワイン  ボブ・ラフェルソン監督

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ブラッド&ワイン [DVD]
 駄目な映画でもない。しかし、いい映画でもない。そこそこには出来ているのだが、映画を作る人たちの熱というか、楽しみというか、そう言ったものが伝わってこない。ジャック・ニコルソンが主役を張っているが、なんかちぐはぐな感じである。

 若い男が鮫をつかまえるために、仕掛けを作って友達と砂浜に寝ている。彼の母親は、ワイン商を営むアレックス(ジャック・ニコルソン)と再婚し、現在は三人家族である。再婚した夫アレックスは、若いガブリエラに入れあげて家に帰ってこない。たまに帰ってきたと思えば、富豪の家に盗みに入る前日だった。

 富豪の家には、アレックスの愛人ガブリエラがメイドとして働いている。そこには高価なダイヤのネックレスがあり、彼は仲間のヴィクターとそれを盗みにはいる。彼女が犯罪の導きをするわけではないが、彼女を通じて富豪の家の様子が分かる。無事ネックレスは盗み出せるのだが、それを換金するためにガブリエラとニューヨークへ行こうとするところから、話がおかしくなる。

 ニューヨーク行きで奥さんともめているうちに、アレックスは奥さんにステッキで殴られ気絶してしまう。彼が気絶している間に、奥さんは荷物をまとめて家出するが、その時に彼女が持って出るスーツケースには、盗んだネックレスが入っていた。もちろん、彼女はそれを知らない。それから後は、それを取り戻す話である。アレックスとヴクターにおわれて車で逃げるとき、運転を誤って母親が死んでしまう。

 息子と義理の父親とその愛人、息子と母親などの人間関係をからませて、物語は進むのだが、お決まりの仲間割れ、息子の愛人へのほのかな恋心が彩りを添える。初めはガブリエラとアレックスの関係を知らずに、息子は彼女に恋心を抱く。父親の愛人だったと知って愕然とするが、それでも彼は彼女への恋慕が断ち切れない。

 ガブリエラはキューバからの密入国者らしいが、ラテンの女性にアメリカ男が憧れるのは何となく分かる。彼女たちはセクシーで情熱的であり、しかもマッチョな男性が好きで、家族思い。ラテン系の女性は、アメリカの女性達が失ったものを持っている。

 息子もガブリエラもそれぞれ、ネックレスから一粒づつダイヤをくすねる。そして、罪はすべてアレックスにかぶせる。最後はアレックスを痛いめにあわせ、めでたしめでたしとなる。息子がガブリエラにさかんに誘いをかけるが、彼女は親子ほど歳の離れた親のアレックスを選ぶ。年齢や家族秩序が崩れている現代的な苦いエンディングで、ちょっと考えさせられた。
1996年アメリカ映画。


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