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舞台劇をそのまま映画化したもので、最初のポーカーシーンを除くと、三人しか登場しない。古物屋ドニー(デニス・フランツ)、悪ぶったティーチ(ダスティン・ホフマン)、使い走りの子供ボブの三人だけ。店の前の道路を除くと、舞台は最初から最後まで、古物屋ドニーの店の中。主演がダスティン・ホフマンでありながら、お金がかかってないと言えば、これほどお金がかかってない映画も珍しい。 田舎町で古物屋を営むドニーが、アメリカン・バッファローと俗称される硬貨を、旅行者風の男に安い値段で売ってしまう。実はそれは稀少価値があり、もっとずっと高かったのだが、それに知識の無かったドニーは安く手放してしまった。彼はその相手が、コイン蒐集のプロだと考え、自分の無知に挑戦されたと受けとる。そのため、悔しくて仕方ない。コインを集めているだろう男のもとに盗みにはいることを計画する。そこで、ボブに男を見張らせている。 その計画を聞いたティーチが、子供のボブをはずして、俺をその計画に加えろと迫る。渋々承知したドニーだが、ティーチだけではいまいち心配で、フィッシャーを仲間に誘おうとする。外されたボブは面白くない。大人二人のあいだに時々登場して、自分をアッピールする。ボブがもたらしたフィッシャーをめぐる情報から、ティーチはボブを電話機で殴る。そこで、ドニーとティーチのあいだが分裂。 場面転換や、映画特有の情況描写がないために、映画全体がすべて会話でなりたっており、それがよけい判りにくくさせている。攻撃的にしゃべる会話劇はダスティン・ホフマンで、人間表現が単調だった。むしろ、ドニーを演じたデニス・フランツの方が、押さえた演技でうまかった。 舞台としては良いのだろうが、映画としては展開が遅い。場面転換があったり、他の登場人物が現れるだろうと思っていると、とうとう最後まで三人劇で終わる。二人の男のやりとりを淡々と見せるだけである。おそらく時代設定は1950年代だと思うが、背景を判っているアメリカ人には楽しめるのだろう。 | |||
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