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もちろん最後まで、犯人は判らず、どんでん返しにびっくりする。 もう少しわかりやすく、整理して欲しかったというのが、頭の弱い観客としての感想である。 簡単な仕掛では単純だと文句をいい、複雑で高度なトッリクだと難しくて判らないと、これまた文句を言う身勝手な観客である。 ロス アンジェルス港で起きた27人の殺人と船の爆破事件が、まず画面にでる。 顔見知りとなった足の悪いヴァーバルが、堅気となっていたディーキンを再度犯罪に引き込む。 コバヤシが謎の人物=カイザー・ソゼからの依頼だと言うが、計画から降りた一人は殺され、ディーキンの奥さんは知らずにコバヤシに雇われる。 物語の後半は、関税特別捜査官クイヤンの取調に対する、ヴァーバルの供述というかたちですすむ。 供述自体に嘘がたくさん入っているので、観客としては筋を追いかけられない。 ヴァーバルを演じるケヴィン・スペイシーの演技が抜群である。 サスペンス映画と言うのは、映画としての主張はなくても良く、ただ推理の展開に無理がなく、しかも意外性にとんでいればいい。 この脚本も良くはできているが、骨太な展開より、ディテールに頼りすぎているきらいがある。 最も気になったのは、犯行の動機が事件の割に貧弱なことである。 犯人捜しのネタは、奇想天外なほどおもしろいのだが、納得できる範囲内で話が展開しなければ、おもしろく感じないのも事実である。 そうはいいながら、これだけの筋を考え、緊張感のある画面を作れる監督だから、次作も期待できることは確かである。 | |||
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