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初めて出現したものは、いつも幼稚で稚拙である。 デリケートな心理描写などできはしない。 初めての商業的なCG映画であることの名誉は、この映画のものである。 もちろん、いまだCGは、完璧ではなく、不自然な動きも多い。 しかし、CGの無限の将来性を感じさせるには、充分である。 現在のコンピューター技術では、これだけの映画を作るには、気の遠くなるような根気のいるプログラミング作業が必要だったはずである。 どんな映画でも必ずあたるとは限らないとすれば、オタクたちに給料を払い続けるのは、ディズニーのような大企業でなければ、決してできない投資である。 この映画は、子供を主な観客と想定しているはずである。 子供も同じ社会に住むのだから、大人と同じ価値観に支配されることは当然なのだが、我々は子供の世界は大人とは違って、純粋なものと考えやすい。 子供向けとして、幼稚な話をつくるのは、子供を馬鹿にしたものだし、そんな話が面白いわけがない。 映画は、神(正義と悪)→人間(子供)→おもちゃ(コンピューター)という順にできあがっている現実社会の秩序構造を一つずらす。 主人公アンディーは、子供=絶対に仕える古い形のおもちゃである。 新しいおもちゃは、コンピューターであるがゆえに、限りなく人間つまり神に近い。 コンピューターつまりスペース レンジャーは、賢くスマートで間違わずいつも正しい。 この映画を作っている人々は、間違いを犯し、嫉妬から人殺しさえやりかねない人間を、実に温かくみている。 コンピューターが時代の主役になり、もはやコンピューターなしでは、社会がまわらなくなっている。 コンピューターはトイである、つまりコンピューターというおもちゃの話。 子供に歯の矯正をさせていたり、おもちゃの軍隊に本物をなぞらせたり、ディテールには凝っているが、映画としての完成度は低い。 映画の平均の長さは、一時間半から二時間だと思っていたら、この映画はずいぶんと短いので驚いた。 | |||
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