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キリストの代わりに、磔になっている裸の女性という絵は、パロディーとしても衝撃的だった。 ヒュー・グラント演じる牧師夫妻が、展覧会に出展される絵が神を冒涜しているので、出品しないように圧力をかけに画家のところにいく。 この時代、本国イギリスではもちろんのこと、映画の舞台になっている植民地だったオーストラリアでは、女性が裸をさらすことや婚外の性的な関係は抑圧されていた。 しかし、今日ではこの映画の主張は、すでに陳腐化している。 女性の裸を、妖精的なものとしてとらえるところは、女性に対する逆差別が生まれる。 女性の裸から、性的な世界の肯定とつながるのは、いささか短絡的ではないか。 既成の権威を表す牧師も男性。妖精たちの指導者は画家の男性。 最近、「ジェーン エア」とか「緋文字」とかが映画化されるが、これらは初期の工業社会で意味があったのであり、その主張はすでに現実世界で実現されてしまった。 しかし、稚拙でもいい、未熟でもいい。 オーストラリアの風景が、何度か遠景されるが、馴染みがなかったのでその雄大さに驚いた。 密閉された建物、空調のきいた部屋に生活していると、いつしか人間以外の生き物と、共存していることを忘れてしまった。 | |||
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