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バルセロナの見本市会場で、働くコンパニオンの美女を、従兄弟同士の二人のアメリカの若者が何とかものにしようとする。しかし、スペインの女性たちのほうが性的に放埒で、アメリカの若者たちはそれに振り回されるという話である。 従兄弟の一人がセールスマンで、もう一人が海軍の軍人である。セールスマンはまじめな堅物で、仕事熱心。軍人は、アメリカ軍は世界平和を維持するために、世界中で戦っており、アメリカにはプライドをもっている。どこでも軍服を着ているという、アンクルサムを絵にかいたような男。二人の従兄弟が子供の頃、一緒に遊んだときの記憶が伏線になりながら、現在の二人が語られていく。二人の関係が、兄弟以上に親密で、家族回帰の変形かと感じる。兄弟が減ってくると、逆に従兄弟とかが、大きな意味をもってくるのかも知れない。 アメリカは連合国の一員として、枢軸国と戦ったにもかかわらず、ヨーロッパでは、反米感情が強い。たしかに、パリでもアメリカ人は田舎者と扱っている感じは受けるが、バルセロナではこの映画ほどに反米感情が強いのだろうか。 先鋭化した理論で武装されたアメリカ国家は、自然にできあがった古いタイプの国家からは、押しつけがましく見えるだろう。しかも、現在の経済力や物量では、まったくかなわないのだから、イライラするはずである。アメリカという国は、その成り立ちからして、誰でも入りやすい国である。しかし、他の国へ入るのは、アメリカに入るように簡単ではない。 原題は、バルセロナである。なぜこの映画ができたのか、動機の理解に苦しむ。この映画は、特別に訴えたいテーマがない。だから、ここでも印象記になる。 | |||
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