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前作「デリカ テッセン」が好評だったので、同じ監督がそれに引き続く映画を撮った。 一作あたると、誰かがお金を出すらしく、お金がかかっている。 ところで映画の内容だが、夢を見ないと、老化が速いという着想は面白いが、子供と夢という設定はすでにたくさん使われている。 怪物男、創造主、神の死、不具者の革命、地下の世界と、話題は豊富である。 しかし、この映画は最終的に何を言いたかったのか、よく判らなかった。 フランスの映画にはいつも感じるが、豪華絢爛な映画美術のなかで、もってまわった独りよがりな文化を持て遊んでいる。 フランスは古い文化が隆盛を誇り、それらがそれぞれの様式性を確立している。
画面がややセットぽい感じがするが、このセットをスクリーンに再現するだけでも、ほんとうにお金がかかっている。 記憶喪失になっている博士が、何体か人造人間を作った。しかし、皆どこかに失敗が残った。 最後には、主人公である子供の心をもった怪力男とませた女の子によって、誘拐された子供たちは全員解放され、記憶の戻った博士が人造人間の基地を爆破して映画は終わる。 おそらくフランス人なら良く知っていることが、ふんだんになぞらえているのだろう。 フランスが文化の中心だった時代には、フランスの独自性によりかかっていても、そのままで世界的な普遍性があった。 ヨーロッパが唯一性を失ったので、たとえばチベットやアフリカの文化と、フランスの文化は同じ次元になった。 有名な蚤のサーカスや、ネズミのしっぽに磁石をつけて鍵を奪うシーンなど、部分的には面白い場面もある。 凝った部分の集積が、優れた全体を構成できない。 アメリカが工業社会から出発し、いま情報社会へと転換しつつあるとき、フランスは工業社会から情報社会へと転換することなく、時代の最先端から降りていく。 1995年のフランス映画 | |||||||||
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