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ハラハラドキドキ、恐くもあり、おかしくもある。 もちろん、主人公たちが、死ぬことがないという、ハリウッド映画の前提によりかかって観ている。 だから恐かったり、おかしかったりですむのだけれど、実に良くできている。 まずなによりも、この映画の発想に脱帽である。 たしかに、SFXに眼がいく。 ジャングルの動物たちが、街にあらわれたり、大洪水になったりすることが、自然のうちに処理されている。 しかし、この映画の価値はそこにだけあるのではない。 映画は、ゲーム=ジュマンジが土に埋められるとき、つまり本題とは関係ない古い時代、たしか1868年から始まる。 その後、誰もこのゲームをしなかったので、ゲームの世界に閉じこめられ続ける。 新たな姉弟二人が、ジュマンジで遊ぶ。 ジュマンジのなかは、東南アジアのジャングルという設定である。 サイコロが振られるたびに、ジャングルの超現象が現出し、彼らを襲う。 主人公の父親が経営する靴工場の工員が、後日の警官とというのが笑わせる。 四人のうち誰かが上がれば、現出したものはすべて消え去るルールのとおり、主人公が上がると、すべて消え去る。 このオチは、蛇足のような感じもするが、むしろ監督が言いたかったのは、子供が父親に感謝するこのシーンではなかったろうか。 夢からさめたら、うたかただったという話はたくさんある。 人間愛はともかくとして、家族愛は新たな形が模索されているのに、この映画では旧来の家族愛が無条件で肯定されている。 子供たちが観るであろう映画だから、不器用な父親でも子供への愛情を、誰よりも内に秘めているんだと言いたかった。 むしろ子供には、自分の感情が押さえられない、自己中心的な男と写るように思う。 情報社会の現代では、この映画のなかの父親が、理想と考えているように子供が育っても、あれでは必ずいつか親子間に破綻がくる。 1968年当時、アメリカは工業社会から情報社会に転換しつつあったはずである。 | |||||
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