タクミシネマ           フェアーゲーム

 フェアー ゲイム   アンドリュー・サイプス監督  

 原作が面白かったというので観にいったが、ヒーローとヒロインが終始追いかけられるところを除いて、原作とはまったく違う映画だったそうな。
スーパーモデルの、シンディ・クロフォードがヒロインを演じていたが、まさにB級活劇映画であった。
B級映画でも、アクションものはそれなりに楽しめるので、退屈で寝てしまうということはないが、取り立てて言うことは何もない映画である。

 女性弁護士が、何がなんだか判らないままに命を狙われる。
様々な困難にもめげずに、警察官が彼女を守るという映画だが、相手がKGBの残党という設定である。
戦闘集団であるKGBが相手だから、登場する武器兵器が並のものではない。
しかも、警察とのやりとりが盗聴され、主人公の警官は一人で戦うはめになる。
こうした映画の常で、話の辻褄が合わないことはしばしばだが、そうしたことは無視して楽しむ他はない。

フェア・ゲーム [DVD]
 
劇場パンフレットから

 気づいたことは、二つ。
まず、コンピューターの登場である。
今までも、画面にコンピューターが登場する映画はたくさんあったが、この映画もKGBがコンピューターを使って、主人公たちを追いかける。
電子機器の使用は、もう当たり前になった。
今後は紙と鉛筆のように、誰でもコンピューターを使うだろうから、より人間の精神的な面を強調せざるを得なくなるだろう。
もう一つは、毎度言うが女性の台頭である。女性の台頭もすでに何度も取り上げられてきたが、最近は女性が肉体的に男性と渡り合う場面が増えた。

 最初の頃、女性の台頭は社会的な面、精神的な面で始まった。
しかし最近は、女性も肉体的に男性と劣らないと言いたいのか、女性もピストルは撃つは、格闘はするは、まったく男性と同じ役割を演じている。

この映画でも、シンディー・クロフォードは、主人公の警官と同じように走る。
また、KGB側にも、女性が一人おり、これまた格闘、射撃なんでもござれである。
この女性との格闘では、主人公の男性警官が一時的に負けてしまう。
そのくらい強い女性である。「ストレンジ デーイズ」でも、強い女性が出ていた。
女性の肉体的な強さを強調することはしばらく続くだろう。
しかしほんとうに、肉体的に男女は同じかと言うと、おおいに疑問が残る。
同じように鍛えれば、男性の方が強いと思うのだが。

 最後は定石どうり、KGBは壊滅され、女性弁護士と警官が恋いに落ちて、ハッピーエンドのうちに映画は終わった。
しかし、B級映画ながら、ずいぶんとお金がかかった映画で、建物一軒、車が十何台か爆発炎上し、そして、かなり大きな船が一艘爆発沈没した。 

1995年のアメリカ映画


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