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猟奇的な連続殺人をするのは、20〜35才の普通の白人。 この映画のなかでは、犯人たちの手口が類型的に分類されて、それが個別の犯人と結び付けられている。 強いはずの自分が、弱い者でしかないことを知り、そこから抜け出そうとして犯すのが、こうした犯行の動機である。 「羊たちの沈黙」以来のサイコ ミステリーであるが、ストーリーの構成はいくらか似ている。 アンソニー・ホプキンズは自分自身が殺人鬼だったし、シガニー・ウィーバーは、外出恐怖症だけではなかった。 女刑事ホリー・ハンターと男性の若い刑事というコンビで話が始まるが、リーダーは女性である。 アメリカでも映画を作る現場では、性差別が横行しているらしいが、少なくとも映画のなかでは、もはや性による差別を語る時代ではない。 二人の刑事が、精神分析医シガニー・ウィーバーの助言を受けながら捜査を進める。 過去の犯罪を正確に再現することが、犯人の美学である。 新たな犯罪の独創ではなく、コピーすることに美学を感じるというのは、コンピューターの擬人化である。 しかし、この犯人は獄中にいる過去の犯罪者と連絡をとりながら、現実の犯罪はそれに勝とも劣らない犯罪を犯していく。 捕まえるほうは、マスコミという大衆社会から監視され、社会のルールを守りながらしか行動できない。 死は物理的なもの、つまり自然科学の過程である。 犯人を射殺することを、同じ論理のなかで肯定できないのである。 映像美や映画の格という意味では、「セヴン」には及ばないが、良くできた映画である。 | |||||
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