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映画のなかでゲイが如何に扱われてきたかを、映画の始まりから追った映画である。仕立ては記録映画風で、古い映画の場面とインタビューで構成されている。 1940年以前は、同性同士の愛情表現は友愛と見なされて、タブーではなかった。それが検閲制度が出来たりして、1950年頃には同性の愛情表現がほとんどできなくなる。そしてその後、1960年以降になって、社会におけるゲイの表舞台への登場とあいまって、映画表現のなかでもゲイは市民権を獲得していく。 自らを肯定できないために自己実現が出来なかったゲイが、いまやカムアウトし社会のなかにそれなりの地位を占めた。ゲイが市民権を得る前にもゲイはいたが、彼らは自分を肯定できずに生活せざるを得なかった。ゲイである自分は間違った存在であり、許されないのだという自己嫌悪にさいなまされていた。映画のなかでも、常にゲイは笑いものだったり、悲劇的な結末に描かれた。そうした顛末が、克明に追われている。 しかし、娯楽としてこの映画をみるとき、教えて頂きましたというだけで、特別の感慨がない。記録映画だとしても、心を打つものはあるのだから、単にゲイの歴史をならべるだけではなく、もっとはっきりとした主張を打ち出して欲しかった。とりわけゲイは、男性からも女性からも差別されてきたはずだから、もっともっと立体的に描けるはずである。 | |||
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