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なぜこの映画を作ろうと思い立ったのか、不思議である。 わが国にも鳥獣戯画などの歴史はあるし、狸や狐の話など、動物を擬人化した話はたくさんある。 我が国のアニメ映画では、動物の話がたくさん使われている。 しかし今日、わが国ではそれらの話は、なかなかインパクトを持たない。 意欲的な映画ではあるが、この映画には明かな限界がある。 男性は男性の、女性は女性の、古き良き時代の役割分担である。 ここでは、動物に対する認識の差は問わないことにしよう。 成長の速い動物たちは、映画を撮っているあいだにも大きくなってしまうので、何匹も用意して撮影をしたそうな。 動物のロボットを作って、本物の動物たちのあいだに混ぜたというが、それもどれがロボットか判らなかった。 二つめは、豚というまったく下位の動物に、脚光をあてたことである。 羊犬が、脅しによって羊を支配したのに対して、豚は脅しによって従属させる路線をやめ、お願い路線をとる。 この映画作られた背景を考えるとき、やはり時代の閉塞状況があると思う。 その時代を生きるのに最も適合的だった資質があるがゆえに、次の時代には没落していく。 ウィノナ・ライダーは、ヒッピーの両親に育てられたのだそうで、彼女の家には、お金はもちろん電気も水道もなかったそうである。 歴史の転換点では、必ず復古的な運動が表れるが、ヒッピー文化は人間性回復の運動だった。 ヒッピー運動が最盛期だった1960〜70年代は、わが国は工業社会が高度成長の最中だったので、ヒッピー文化を理解する余裕や必要がなかった。 動物に演技させることを除いて、映画としてみると、「ベイブ」の完成度は高くない。 | |||||
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