ダニス・タノヴィッチ  danis tanovic

 1969年ボスニア・ヘルツェゴヴィナ生まれ。サラエヴォのフィルム・アカデミーで習作を何本か撮った後、92年のボスニア紛争勃発と同時に、ボスニア軍に参加。「ボスニア軍フィルム・アーカイヴ」を立ち上げ、サラエヴォの最前線で300時間以上に渡る戦地の映像を撮影した。この時の映像は、ルポルタージユやニュース映像として、世界中で放映されている。資料映像と同時にドキュメンタリー作品を監督、数多くの賞を受賞している。94年にサラエヴォを離れ、ベルギーに渡って、映画を学ぶ。本作「ノー・マンズ・ランド」はタノヴィッチにとって、初の長編劇映画であり、「戦争とは精神状態です。銃弾の音や、頭上を通るヘリコプターのプロペラではないのです。戦争は、それを生きる人間の心の中にあり、戦いが終わった後も消し去ることは出来ません」と語る通り、戦争の愚かさを描ききり、カンヌ国際映画祭において脚本賞を受賞するデビューを飾った。現在、パリ在住。
ノー マンズ ランド(2001/仏・伊・ベルギー・スロヴェニア)

映画監督の一覧に戻る